洗濯表示
布団に洗濯の記号が付いていたら、いつの記号かを見る——消費者庁は洗濯表示を、表示した時期ごとに3つの頁に分けて載せています
押し入れの布団を久しぶりに出して、ラベルを裏返したら、小さな記号がいくつか並んでいた。洗えるのかどうかを知りたくて、じっと見ても、形だけでは意味がつかめません。
調べようとして検索すると、記号の一覧はいくつも出てきます。ところが、どの一覧がいまの決まりに沿っているのかは、見ただけでは分かりません。
布団は、服と違って何年も使い続けます。10年前に買った布団も、去年買った布団も、同じ押し入れに並んでいることは珍しくありません。
2本目の記事では、消費者庁の繊維製品品質表示規程が、布団に洗濯の記号までは求めていないことを読みました。それでも、記号が付いている布団はあります。
最初の記事では、クリーニングで傷みが出たときの扱いを、厚生労働省と国民生活センターの資料から読んでいます。今回は、その前の段で、ラベルの記号をどう読むかの話です。
開いたのは、消費者庁の「製品別品質表示の手引き」にある洗濯表示の3つの頁です。どの頁も、2026年9月27日に読んだときの文を引きます。布団を洗ってよいかどうかは、この記事では決めていません。
・消費者庁は洗濯表示を、表示した時期で3つの頁に分けて載せている
・平成28年11月30日までの記号は、別の日本工業規格(JIS L0217)で6分類
・それ以降の記号は、5個の基本記号と付加記号の組み合わせ
・同じ記号番号でも、令和6年8月20日の前と後の頁で温度の書き方が違う行がある
・基本記号が欠けているときの決まりが、規格の概要に書かれている
洗濯の記号の意味は、どこで確かめるの?
ネットの一覧を見たけれど、どれを信じればいい?
いまの頁の題は「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」です。頁の冒頭に、ほかの2つの頁への案内が置かれていました。平成28年11月30日までの間に表示する洗濯表示と、平成28年12月1日から令和6年8月19日までの間に表示する洗濯表示です。
いまの頁の中身は、日本産業規格 JIS L0001 の概要でした。規格の目的は、序文でこう書かれています。
この規格は、繊維製品のケアの表示に使用すること、繊維製品の洗濯などの取扱いを行う間に回復不可能な損傷を起こさない最も厳しい処理・操作に関する情報を提供することを目的とし、表示記号及びその使用方法を明確にする体系について規定した。
「最も厳しい処理・操作」の情報とあります。記号は、その布が耐えられる上限を示す作りだということです。
平成28年11月までの記号は、何が違うの?
古い布団の記号は、今の一覧で読んでいい?
いちばん古い頁は、日本工業規格 JIS L0217 の抜粋として書かれていました。記号の分け方は、こうです。
記号は、次の6分類とする。
6つの分類は、洗い方(水洗い)、塩素漂白の可否、アイロンの掛け方、ドライクリーニング、絞り方、干し方でした。絞り方の記号には、たとえば次の行があります。
手絞りの場合は弱く、遠心脱水の場合は、短時間で絞るのがよい。
いまの頁の規格には、絞り方という分類は立っていませんでした。古い布団の記号を今の一覧に当てても、合う行が見つからないことがあるのはそのためです。
いまの記号は、何を組み合わせているの?
記号の形は、いくつあるの?
5 個の基本記号、及び基本記号と組み合わせて用いる幾つかの付加記号で構成する。
5個の基本記号は、洗濯処理(洗濯おけの形)、漂白処理(三角形)、乾燥処理(正方形)、アイロン仕上げ処理(アイロンの形)、商業クリーニング処理(円)でした。並べる順番も決まっています。
処理記号は、洗濯、漂白、乾燥、アイロン仕上げ、商業クリーニングの順に並べる。
×印の意味は、付加記号の節にありました。
5 個の基本記号に重ね書きした×印は、その記号が表す処理・操作ができないこと(禁止)を表す(図9 参照)。
円の記号は、家で洗うときの記号ではありません。頁は、ドライクリーニング処理とウエットクリーニング処理を表す、と書いています。布団をクリーニングに出すときに見るのは、この円の記号です。
同じ番号の記号でも、意味が変わることはある?
平成28年からの記号と、今の記号は同じもの?
記号番号110の行を、2つの頁で並べます。平成28年12月1日から令和6年8月19日までの頁では、こうでした。
液温は30°Cを限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる。
令和6年8月20日以降の頁では、同じ110の行がこうです。
液温は、40°Cを限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる。
今の頁では、30°Cまでの手洗いは111という別の番号の行になっていました。アイロンの行も同じで、530の行は前の頁で底面温度200°C、今の頁で210°Cでした。前の頁の510の行は、こう書かれています。
底面温度110°Cを限度としてスチームなしでアイロン仕上げ処理ができる。
今の頁では、510が底面温度120°C、スチームなしの120°Cは511という別の行でした。記号の絵は、この記事では見比べていません。並べたのは、頁に書かれた番号と文です。
記号が1つ欠けていたら、どう読むの?
アイロンの記号だけ付いていないのは、どういう意味?
表示方法の節に、次の一文がありました。
この規格で規定されている5 個の基本記号のいずれかが記載されていないときには、その記号によって意味している全ての処理が可能とする。
これは、この規格の記号で表示しているラベルについての決まりです。記号がまったく付いていない布団のラベルに当てはめてよい、とは書かれていませんでした。布団に記号が求められていないことは、2本目の記事で読んだとおりです。
記号で書けない扱いは、言葉で添えることもできます。
洗濯表示記号で表すことのできない取扱い方法に関する情報は、必要に応じて、記号を並べて表示した近くに用語(付記用語)や文章で表示することができる。(事業者の任意表示)
記号の横に言葉が添えてあれば、それも表示した事業者が書いた扱い方です。
この記事で確認したこと
・洗濯表示の頁は、表示した時期で3つ(平成28年11月30日まで/令和6年8月19日まで/令和6年8月20日以降)
・いちばん古い頁は JIS L0217 の抜粋で、記号は6分類(絞り方・干し方を含む)
・いまの頁は JIS L0001 の概要で、5個の基本記号と付加記号の組み合わせ
・記号番号110は、前の頁で30°Cの手洗い、いまの頁で40°Cの手洗い
・基本記号が記載されていないときは、その記号が意味する全ての処理が可能とする(この規格で表示する場合)
よくある質問
布団をいつ買ったか分かりません。どの頁で読めばよいですか
今回の3つの頁は、どれも「表示する」時期で分けていました。買った日ではなく、ラベルが付けられた時期の区切りです。分からないときは、ラベルに書かれた表示者に問い合わせるのが確かです。表示者名と連絡先がラベルに残ることは、2本目の記事で読んでいます。
円の記号に×が付いていたら、クリーニングに出せませんか
円の記号は、ドライクリーニングとウエットクリーニングを表す記号でした。×は、その記号が表す処理ができないことを表します。出す前に、記号をクリーニング店に見せて相談してください。出したあとで傷みが出たときの扱いは、最初の記事で読んでいます。
記号の意味は、ネットの一覧で調べても大丈夫ですか
消費者庁の頁どうしでも、時期によって同じ番号の行の温度が違いました。一覧を使うなら、どの時期の決まりをもとにしているかを確かめてください。
この整理が変わる条件
- 消費者庁が、洗濯表示の頁を改めた場合(本記事は2026年9月27日に3つの頁を読んだもの)
- 日本産業規格 JIS L0001 が改正された場合
- 布団ではなく、布団カバーや毛布の場合(規程で、家庭洗濯等取扱方法も表示すべき事項になっています。2本目の記事参照)
出典
- 消費者庁「洗濯表示(令和6年8月20日以降)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_02.html
- 消費者庁「洗濯表示(平成28年12月1日から令和6年8月19日まで)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash_01.html
- 消費者庁「洗濯表示(平成28年11月30日まで)」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/household_goods/guide/wash.html
記号を読むときは、まずラベルが付いた時期の頁を開いてください。
上の出典を引いて確かめた日: